Memorism Processor

メモリズムとは

メモリズムプロセッサは、CPUやGPUなど従来型プロセッサが苦手な「データ検出を伴う処理」を肩代わりするプロセッサです。
従来型プロセッサとメモリズムプロセッサの分業処理により、「情報処理の近代化と呼ぶに相応しいコンピュータのリニューアル」が実現し、人と地球にやさしいコンピュータに変身いたします。

現在と今後の情報処理

現在の情報処理

現在のコンピュータ(ノイマン型)は、1946年の誕生以来CPUやメモリ、周辺機器の大幅な性能の向上はありましたが、システムの進化は全く有りませんでした。従って、以下のような問題を抱える結果となっております。

これまでの常識問題点
CPU/GPUメニーコア化や3D技術で性能アップをするしかない今のままでは消費電力の大幅な削減は期待できない
サーバサーバを増設すれば性能はいくらでも向上するサーバ設置コストやサーバ電力・空調電力が犠牲となっている
アルゴリズムデータ検出を伴う処理は、多様なアルゴリズムを利用すれば良いリアルタイム性が犠牲になり、更新処理が大きな負担になっている
深層学習AIは機械学習を利用すれば良い学習問題、電力問題、ブラックボックス問題などを解決する必要がある
今後の情報処理社会

今後の情報処理の必須ニーズは、低炭素社会への対応はもとより、AI、IoT、BigDataの活用など多岐にわたります。
ムーアの法則で知られる半導体の微細化技術が限界に迫り、CPU、GPUの性能が上がりにくくなるので、これまでの情報処理の常識や価値観に捉われないイノベーションが必要となってきます。

低炭素化対策
AI
IoT
BigData

現在のコンピュータの宿命

ボトルネック

現在のコンピューティングは、CPUやGPUとメモリが基本となります。
CPUはあらゆる種類のデータを処理できるのが特徴であり、GPUは算術演算を得意としていますが、CPUやGPUとメモリ間でデータを授受する際のバスボトルネックが問題となっております。

「データの検出」を伴う処理は、バスボトルネックの影響をまともに受けるため、インデックスを作成するなどの前処理に頼らざるを得ません。
しかしながらこの前処理はアルゴリズムが複雑で最適化を図る必要がある事などから、専門家でなければ対応できません。

このため情報処理の効率が悪く、それがIoTやAIが進化しにくい原因となっています。

ボトルネック理解のポイント

現在のコンピューティングは、OS処理、算術演算処理、制御処理、通信処理など性能に比較して、検索、照合、認識など、データ検出処理を伴う処理が著しく劣っております。
データの検出を伴う処理はニーズが多く多用されますが、手付かずのままになっております。

この問題を弊社では「データ検出問題」もしくは「情報検出問題」と呼んでおります。

メモリズムプロセッサ

3タイプ6種類のメモリズムプロセッサ

現在の「データ(情報)検出問題」を解消するために開発されたのが、「メモリズムプロセッサ」です。
「メモリズムプロセッサ」とは、CPUやGPUの苦手な処理(効率の悪い処理)であるデータの検出を伴う処理を肩代わりするプロセッサです。
下記いずれのメモリズムプロセッサも、CPUの苦手な処理に比較して、数千倍以上の電力性能となります。

SOP

Set Operating Processor

画像やテキストなどのデータから意図したパターンの検出を得意とするプロセッサです。1D-SOP、2D-SOP、3D-SOPの3種類があります。
使用例)特定物体認識、一般物体認識、欠陥検出、異常検出、テキストマイニング、3Dマッチングなど

DBP

DataBase Processor 

ビッグデータの中から意図したデータの検索や照合を得意とするプロセッサです。S-DBP、B-DBPの2種類があります。
使用例)汎用データベース、RDBMS、全文検索、AIなど

XOP

Cross Operating Processor

データ同士の比較を得意とするプロセッサです。
使用例)クラス分け、ソーティング、ヒストグラム、AIなど

プロセッサ比較
情報処理方式逐次処理逐次並列処理グループ一括処理グループ一括処理グループ一括処理
並列数~72~5K~2M~数M~数M
並列度
消費電力4W~260W30W~500W1W程度1W程度数W程度
汎用演算
算術演算
深層学習組合せにより同等の処理が可能
パターンマッチング
特徴量の抽出
認識
検索
照合
クラス分け
ソーティング

◎:非常に得意、○:得意、△:不得意、−:対象外
CPU:Intel、GPU:Nvidea
2020年5月

メモリズムプロセッサの応用例
区分 情報データの例 メモリズムプロセッサにより
高速化・高性能化・省電力化
並びに
情報処理の平易化・簡易化・標準化
が期待できる情報処理の例

処理に適した
メモリズムプロセッサ*1
1D-SOP 2D-SOP 3D-SOP S-DBP B-DBP XOP
情報処理方式 汎用データ
顧客/購買/在庫/人事/会計/給与
生産/検査/POS
検索/照合/ランキング          
データ/クラス分け/ソーティング          
インフラ系
情報データ
GPSデータ 地域別車両数・人数          
個人IDデータ 検索/照合/ランキング          
全文検索用転置インデックスデータ 検索/照合/ランキング        
WEBデータ セマンテックWEB検索  
文字(テキスト)データ パスワード検出/バズワードヒストグラム          
株価や気象等の時系列データ 類似パターンマイニング        
DNAデータ 類似パターンマイニング          
画像系
情報データ
FA系
ロボット/FA機器/検査機器
欠陥・異常検出/ピッキング/ハンドリング
トラッキング/位置決め
         
自動運転系
車両/ドローン/人体型ロボット
シーンの理解/現在位置認識
衝突検出/自動運転
         
セキュリティ系 顔認証/生体認証/物体検出/マルウェア検出          
その他 医療画像データ解析/気象データ解析
ゲームデータ解析/類似画像検出
         
その他
情報データ
音声データ テキスト検索/音声翻訳          
動画(映像)データ 動画編集ツール
類似画像検出(違法コピー)
自動フレームアノテーション
         
3次元地図データ 自動運転ナビゲーション          
分子構造データ 製薬のための分子構造解析          

*1:代表的なメモリズムプロセッサのみを記載

メモリズムプロセッサによる情報処理

メモリズムプロセッサは従来のコンピューティング手法を脱却。
「問い合わせ演算条件」を入力するだけで目的の結果を得ることができます。

AI(人工知能)の方式

パターン認識の方式

パターン認識はAIの基本となる概念です。
パターン認識は大きく二つに分類されます。
その一つが機械学習による認識方式で、近年は深層学習(Deep Learning)が最も多く利用されております。
然しこの方式は、学習問題や電力問題、ブラックボックス問題など様々な課題を抱えております。
パターン認識の第二の方法がパターンマッチングによるものです。
従来型パターンマッチングはCPUが最も苦手な処理であるので処理スピードが遅いため、利用できるアプリケーションが限られておりました。
この問題を解決するのがメモリズム型パターンマッチングで、従来型に比較して1万倍以上の高速化が可能になるばかりでなく、消費電力の削減や、学習などの複雑なアルゴリズムが解消出来るので、新しいタイプのパターン認識AIが可能になります。

パターンマッチングの方式
比較項目パターンマッチングによるパターン認識
従来型(ソフトウェア処理)メモリズム型(2D-SOP)
テンプレートパターン(TP)ルールの作成標準化ルールの標準化は困難ルールが標準化出来る
多様化・高度化ルールの多様化・高度化は困難ルールの多様化・高度化が出来る
最適化ルールの最適化が困難ルールの最適化が容易
完全一致テンプレートパターンマッチング(TPM)TPM処理が遅い(数十m秒)TPM処理が著しく速い(数μ秒)
曖昧TPM処理が遅い(数百m秒)TPM処理が速い(数μ秒)
マルチ(多重)TPM処理が遅い(数百m秒)TPM処理が速い(数十μ秒)
回転・スケーリングTPM処理が著しく遅い(数秒)TPM処理が速い(数百μ秒)
網羅的(自動的)*1処理困難処理可
(多様な特徴の自動抽出が期待できる)
対話側*2処理困難処理可
(高度なパターン認識が期待出来る)
*1、*2による特徴データベースの利用処理困難特徴データベースとの連携が可能
TPMの高速化高性能なCPUもしくはGPUの利用低電力CPUと2D-SOPで超高速
比較項目深層学習の高速化TPMの高速化
学習行為大量のデータでセルの重みを最適化するルールの最適化が学習に相当
もしくは特徴データベースの作成が学習に相当
推論行為入力とセルの重みによる積和演算PMが推論に相当
もしくは特徴データベースへの照合が推論に相当
推論時間が大幅に縮小される
特徴量の自動獲得実現(深層学習最大の特徴)網羅的TPMにより実現
対話型TPM処理困難汎用性と制度の高いパターン認識が期待できる
電力消費の問題学習に演算パワーが必要学習行為並びに推論行為の双方が低電力
ブラックボックス問題ありなし

*1:色・セグメント・エッジ・コーナーなどの特徴TPを網羅的に与える事により画像の中に含まれる多様な特徴を自動的に検出する
*2:一例として木構造のデータベースとの連動によりTPMの演算結果に基づき次のTP演算条件を与えるような対話型TPM

ノイマン型コンピュータのリニューアル

従来型プロセッサとメモリズムプロセッサの分業処理により、情報処理の近代化と呼ぶに相応しいコンピュータのリニューアルが実現し、人にやさしく、地球にやさしいコンピュータに変身いたします。

データ検出問題解決具体例

・もっと速くしたい … ASIC化により数千倍以上の高速性が実現
・もっと省エネにしたい … 数W/チップ程度で動作可能
・もっと大量データを … 高速であるので大容量に耐えられる
・プログラムをもっと易しく … 複雑なアルゴリズムが不要に
・IoTニーズ(エッジ性能を高めたい) … 高速でしかも低電力
・AIニーズ(もっと賢く省エネに) … 新しい低電力AI技術
・経済性(安く出来る)
・即応性(直ぐ商品化出来る)

メモリズムがある未来

メモリズムの市場性

メモリズムプロセッサは、従来型プロセッサと同程度の市場規模が期待されます。

汎用化&算術演算

データの検出のような単純処理に、コストが高くスペースを食う演算器は機能型で勿体ないです。

情報(データ)検出演算

情報(データ)の検出に特化し、低コストで超並列演算が出来る論理演算器(Group Array Processor)が最適です。

現在の情報処理と近未来の情報処理

ビッグデータ社会を迎えて、検索、照合、認識、クラス分けなど情報の検出を含む処理はますます増える傾向にあります。
いつまでもCPUやGPUに苦手な処理を任せる必要はありません。

メモリズムプロセッサは、CPUとGPUの苦手な処理を広範囲に肩代わりするので、従来型プロセッサと同程度の市場規模が期待されています。

メモリズムの貢献度

メモリズムプロセッサは、あらゆるIT製品が劇的に進化し、新たな価値を創造する未来に大きく貢献します。
具体的にどのようなアイテムにどれくらい貢献できるのかを図式化しました。

アイテム例

◎:大きく寄与、○:寄与

アイテム(一例)性能/精度向上使いやすさ/利便性省電力/小型化
スマートフォン
PC、タブレット
カメラ・ビデオ機能
サーバ
認識機能付き監視カメラ
医療系画像解析システム
車両(自動運転)
ドローン(自動運転)
ロボット(自動運転)
Web検索システム
IoT、エッジ機能
AI、ソフトウェア
データベース、ソフトウェア

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